| 番号 | タイトル | 著者 | 掲載誌 | 日記 |
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| No.79 | 地に立ち天を仰ぐ | もんでんあきこ | コーラスシリーズ | 1999.11.01 |
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(『竜の結晶』10巻収録) 呼吸、心拍、体温・・・。そんなものが泣きたくなるほど愛しいときがある。 娘の寝顔なんかを見てると、知らず、涙ぐんでたりする。 そういうときは、やっぱり、神さまっているんだな、って思う。 だから、蒼竜が泣き顔に、ツキンと胸が痛くなった。 手に触れられるほど近くに、いとおしいものが在るという感覚。 それほど近くに、居させてもらえるという想い。 安心して、心も身体もあずけて、そこに寝入る生命を失いたくないと、思う。 「誰かに必要とされる存在になりたかった」という蒼竜の独白は、たぶん、誰にでも覚えがあるものなのではないのか。きっと、蒼竜は、それを乗り越えないまま成長してしまった子どもなのだと思う。乗り越えないままに、薄く笑うことを覚えてしまった迷子は、そこかしこにいる。 蒼竜だけじゃなく、誰もが生きていくうえで支えとなるだろう誰かを求めている。そんな相手に出会えて、思い合えるということを、奇跡のように感じるときがある。 ・・・ヒトのミトコンドリアは、母側に由来するものなのだそうだ。 そして、ミトコンドリアをたよりに、母から母へとたどっていくと、アフリカのある ひとりの女性に行き着く、という研究がある。 ヒトからヒトへ。血から血へ。そうやって、紡がれてきた膨大な時間。遠い昔の、人類の母・イブ。そして、この傍らに寝入る生命。どちらも、同じ生命だから。 遠い過去からやってきて、今ここに自分として在り、やがて未来へと行く生命の流れが在る。 その瞬間は、とても祈りに近いなにかなのだ。
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